2009年に発行されたISO31000の中に、11個のリスクマネジメントの原則が書かれています。一つ目にあるのが、「リスクマネジメントは価値を創造し保護する」です。意外でしょうか?

リスクというと、危険なもの、不要なもの、というイメージがあって、取り払うもの、少なくするものと考えがちです。「マイナスを無くそう、少なくしよう」という活動かな?と思われる方も多いと思います。そうですね、以前からそういう面があります。

もちろん、その考えは正しいですが、最近のリスクの考えはどうでしょうか? リスクは目的に対する不確かさの影響。そして影響とは、期待されていることから、好ましい方向及び/又は好ましくない方向にかい(乖)離すること。とISO31000では記載されています。

好ましい影響と好ましくない影響とのバランスを考えて、価値を創造していくという考えです。

リスクマネジメントの手法を用いて価値を創造する。価値とは何か?エンジニアであった私は、Value Engineering (V=F/C) の考え方が常に頭にあります。価値(V)は、機能(F)をコスト(C)で割ったもの。コストあたりの機能のことです。

私が90年代半ばに出会った米系メジャーのリスクマネジメントは、このV(value)を高めようとする目的で作られていました。それに初期から携われたことは大変貴重なことだったんだなと、2009年発行のISOの世界を見て改めて感じます。

結局、価値向上とは? 具体的には + 収益向上 +コスト削減 + コストパフォーマンス向上 などを実現していくものだと考えます。

2011年にアジア系エネルギーメジャー、ペトロナスの日本支社の社長に就任した時、真っ先に実施したのがリスクマネジメントでした。

ちょうど、2009年にISO31000が発行された後で、ペトロナスはERM(全社的リスクマネジメント)の枠組みを作成しているタイミングでした。同じタイミングであったことで、ペトロナス本社とのコミュニケーションも効果的でスピードのあるものでした。

2年越しで、日本支社にERMを構築することが出来ました。私が指名した、担当のリスクマネージャーが、積極的に動き、良くシステムを理解し、日本向け、組織向けに上手く効率よくカスタマイズし導入してくれました。

補足ですが、私が社長に就任して、このERMを始め、新規に、HSE(健康安全環境)システム導入、財務・会計システム導入、人事システム導入、業務手順改善など様々なことに取り組みましたが、ERM担当マネージャー以外の社員も、全員が積極的で効率良く、全てのシステムを導入してくれました。社長の私は「なにもしなくても良い」素晴らしい組織であったことが、この度の独立を始めとした、私の自信につながっています。

是非、あなたの組織にもERMを導入してほしい。切にそう思いますが、実際は新たなシステム導入となり、「人もお金も」必要なプロジェクトです。

「たいそうなものなら、もう少し待とう。」「今やらなくてもいい。」と仰るのであれば、ISO31000をベースとしたリスクマネジメントの手法を活用して、今ある問題解決、業務改善をしていきませんか!というのが私のご提案です。

ひとつの方法として、仕事のミスや失敗からのアプローチです。アメブロなどで掲載していますので、ご参考にしてください。

もし将来、ERMを導入することになった場合でも、既にかなりの部分の作業は出来上がっているので、コアの部分を既に持っていることになります。簡単にそして確実にERMが策定できます。

組織を運営していく上で、少しでも不安があるマネジメントの方、事業やユニットを任されている方。是非ご相談ください。もしリスクマネジメントにあまりお詳しくない方であれば、分かり易くご説明します。

社員・職員へのリスクマネジメント研修も実施しています。リスクマネジメントは全社的な取り組みです。研修を通じて社員全員に現状に甘んじない姿勢、を知って頂きたい。

「人生は下りのエスカレーター」と聞いたことがあります。何もしなければ下っていきます。組織と個々がお互いの価値を高め合えるようになる。私の社長時代は、たまたま人に恵まれただけかもしれませんが、やり方は必ずあります。あなたの組織でも、それは可能です。

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